チャットボット導入で費用対効果はどれくらい?実際の導入事例も用いて紹介 | 株式会社ZEALS

チャットボット導入で費用対効果はどれくらい?実際の導入事例も用いて紹介

Written by 済松田 | 2019/06/19

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最近ネットサーフィンしている際に画面右下などに「チャットボット」を見かけるようになりました。
たしかに、チャットボットを導入する企業は増えてきていますが、導入することでどんな効果が得られるかご存知でない方も多いのではないでしょうか。
導入しようにも費用対効果があうかもわからなければ検討することは難しいですよね。
そこで、この記事ではチャットボットを導入することでどんな効果が得られるのかをご紹介しながら、実際に導入して成功した事例もお伝えします。

チャットボット(Chatbot)とは

まずは、チャットボットとはどういったものかを簡単に説明します。

チャットボットの概要

チャットボット(chatbot)とは「チャット」(chat)と「ボット」(bot,ロボットから)をかけ合わせた造語で、ユーザーからのアクション(メッセージ、音声、選択肢など)に対して自動で応答してメッセージ対応や機能の提案などを行ってくれるプログラムです。
一番身近な例としてはiPhoneに搭載されているSiriやAmazonのAlexaなどもチャットボットの一例です。

チャットボットのできること、できないこと

ユーザーに対して自動応答してくれるチャットボットですが、技術が向上してきたとはいえ、まだまだユーザーの対応なら全部任せられる!というレベルではありません。
チャットボットでできることとできないこと知っておきましょう。

チャットボットのできること

事前に登録されたデータベースやシナリオに基づくものなら完全に自動対応してくれます。
AI型であれば、キーワードに絞られず文章全体を解釈し適切な回答をすることができます。
また、それ以外にもチャットボット側から顧客にメッセージを投げかけたり、質問をすることで顧客情報を収集することもできます。

チャットボットのできないこと

あくまで現時点ではは事前にインプットされた情報しか対応できません。
だからこそ、自分が間違った回答をしていても自分で修正はできないので、担当者やユーザーが定期的に教育しなければなりません。
また、現状は1から完全に文章を組み立てるレベルにも達していません。

チャットボットを導入して得られる効果

チャットボットのニーズ

ここまではチャットボットがどういったものか概要を説明してきました。
それではチャットボットを導入したらどんな効果が得られるのか見ていきましょう。

顧客との接点増加

顧客が商品やサービスについて問い合わせをしようと思っても、電話やメールでの問い合わせだと若干躊躇してしまったり、そもそも深夜などの時間帯によっては問い合わせ対応が終了していたりと、問い合わせに至るまでのハードルで離脱してしまうことがあります。
しかし、そんな時でもチャットボットであれば24時間いつでもリアルタイムで顧客の些細な疑問にも返答してくれますから、ユーザーが気軽に問い合わせをしてくれ、問い合わせ数の増加が見込めます。
またLINEやMessengerに対応しているチャットボットサービスなら、自社サイトに訪問しなくても顧客が問い合わせできるので、こちらも接点増加に繋がります。

顧客対応での工数/コスト削減

これまでコールセンターなどの電話対応やメールで行われてきた顧客対応は、人員と工数が必要とされており、コストとして重たくのしかかっていました。
しかし、チャットボットにくる問い合わせとその回答を登録して自動化すれば、コールセンター等の運用工数・コストを大きく削減できます。
また、24時間いつでも待たせることなく問い合わせ対応できるのも嬉しいポイント。
ピークタイムのコールセンターなどは電話が繋がるまでに多くの時間が要されますが、アメリカン・エキスプレスの調査によれば日本人は電話が繋がるまでに平均6分しか待てないとのこと。
だからこそ電話が繋がるまで待たせることなく対応できるチャットボットは、注目を集めています。
参考:https://markezine.jp/article/detail/15850

顧客データの蓄積

チャットボットを運用することで、会話ログという顧客の生の声がデータとして蓄積されていきます。
チャット形式を利用することで顧客が気軽に問い合わせをしてくるようになり、以前まで集まらなかったお客様の声も集まります。
また、多くのチャットボット提供サービスはお客様の声を簡単にレポートで可視化してくれるので、これまで手間がかかっていた定量的な分析が楽になるのも嬉しいですね。

知見の集約による対応の一元化と属人化の回避

これまではいくらマニュアル化していてもどうしても顧客対応の質は人によって差が生まれてしまうものでしたが、チャットボットなら均一化された質で対応が可能です。
また、人間だと問い合わせに対する知見が貯まるのに時間がかかるがゆえに、属人化してしまい退職したときのリスクというのが拭いきれませんでした。
チャットボットなら導入設定さえしてしまえばそうしたリスクを最小限に抑えることが出来ます。
この側面は社内問い合わせ用途で用いたときに特に強く実感されるでしょう。

チャットボット導入時の懸念点


ここまでチャットボット導入によってもたらされる効果を見てきましたが、懸念点はあるのでしょうか。

導入まで時間がかかる

懸念点の一つはチャットボットはその性質上、導入までの設計にコストがかかってしまうということです。
AIにせよシナリオベースにせよ、自動対応の元となる雛形の精度が高くないとユーザーの質問を理解できない、意味不明な回答をするといった事態に陥ってしまいます。
精度を高めるために運用前の設計には多くの時間とデータを要するので気をつけてください。

チャットボットを活用して成功した事例紹介

ここまではチャットボットを導入することで得られる効果について見てきました。
とはいえ気になるのは実際に費用対効果の高い成果を挙げられるかどうかですよね。
そこで、ここからは実際に弊社が運営しているチャットボットサービス「Zeals(ジールス)」を運用して成功した事例を3つご紹介します。(以下企業様名敬称略)

3ヶ月でCVR340%改善!レバテック株式会社の事例

レバテック 多賀谷様

レバテック株式会社とは

業種:人材
レバレジーズ株式会社の100%子会社として2017年に分社化。
フリーランスITエンジニアのための求人・案件情報サイト「レバテックフリーランス」やエンジニアやデザイナーの転職業界最大級の「レバテックキャリア」などを展開する、ITエンジニア/クリエイター専門エージェント。
転職支援やフリーランス向け案件への参画サポート、業界ニュースの配信、勉強会などを通じて、エンジニア&クリエイターの成長を応援する「一番身近な相談相手」を目指す。

導入前の課題

ITエンジニア・クリエイター人材業界は競合他社が増えており、バナー広告やリスティング広告のCPCの高騰が進んでいた。
新規流入を増やすための手段としては、既存のリスティング広告に加えFacebook広告を自社にて運用していたが、SNS広告についての十分な知見やノウハウが少なく、広告運用やクリエイティブの作成に苦戦していた。
CVRを改善してもCPCが高く、予算が追いつかない状況になり、新規ユーザー登録に向けて何とかしなければと危機感を募らせていた。

導入後の結果

チャットボット広告ジールスを導入した結果、3カ月後にはCVRは約3.4倍に改善。
導入後特に目立って得られたのが下記の効果だ。

PUSH配信による引き上げの成功

ユーザーとFacebook Messengerを通じて関係を継続し、個別最適化されたメッセージを送信することでサービス登録をしてもらえるように。
たとえば、チャットボットへの流入時はニーズが顕在化していなくても、契約更新などのタイミングで転職サービスを再検討する機会が多くある。ジールスでは48日前に流入したユーザーがPUSH配信による働きかけでCVするなど、潜在層へのナーチャリング効果があることを確認できた。
また複数サービスに登録し、時間を掛け慎重に比較検討をするユーザーが多いため、離脱してしまったユーザーの再獲得のための広告費がかさばってしまう問題があった。
しかし、チャットボット広告によってユーザーと継続的なエンゲージメントを築くことが可能になり、広告費用も最終的に抑えることができた。

レバテックからの提案の質の改善

チャットボットとの会話で、ユーザーの年齢や希望職種、経験値等が気軽に細かくヒアリングできるので、より提供サービスにマッチしたエンジニアやクリエイターのCVを増やすことに成功。またチャットボットによる個別のナーチャリングを通して、経験値やスキル等をヒアリングすることでユーザーに最適な案件の提案が可能になった。

クリエイティブの改善により流入数がUP

サービスへの直接の訴求ではなく、まず興味を持ってもらうためにレバテックオリジナルの記事コンテンツ(エンジニア豆知識や働き方、年収の記事コンテンツなど)をクリエイティブに取り入れ、チャットボットの会話上でコンテンツ内容を再現。
ユーザーとつながることを重要視した。
担当者は様々な業界の広告クリエイティブについての知見や経験があるためクリエイティブのバラエティーが多く、細かく変化をつけてPDCAを回して、チャットボットならではの効果的なクリエイティブを作成することができた。

BULK HOMME 野口様

株式会社BULK HOMMEとは

業種:通販(D2C)
バルクオムはメンズスキンケア (洗顔料、化粧水、乳液)の製品企画・販売を行っている。
メンズスキンケアのスタンダードを追及し、世界中の男性の肌へ価値を提供するメンズコスメブランド。

導入前の課題

インフィード広告全体のパフォーマンスに課題を感じていて、中でも特にLINE広告には課題を感じていた。
とは言え、インフィード広告市場の成長は著しく、中でもLINE広告自体には大きなポテンシャルを感じていたので、何か効果を改善する広告サービスを探していた。

導入後の結果

チャットボット広告ジールスを使うことで従来のLINE広告と比較して、トライアル期間内だけでもCPAが257%も改善。
その理由としては以下が挙げられる。

①ヒアリングによってユーザーが「自分ごと化」できている

WebLPからのCVRと比較すると、ジールスが250%以上も効率化されている。
その理由として、まずチャットボットでは最初にヒアリングを行い、その情報を元にユーザーに合わせて、「XXでお悩みの〇〇さんだからこそ、紹介したい製品があります」といったパーソナライズされた会話ができているから「自分ごと化」ができるようになったのだろう。

②パーソナライズされたPush配信からCVが獲得できている

全CVユーザーのうち内60%はPush配信から生まれている。LPではできなかったパーソナライズされたPush配信で、着実にユーザーをナーチャリングできていることが大きい。
また、選択肢をタップする手軽な会話がハードルを下げたことで今まで以上にサービスを理解し興味を持ってもらえているようだ。
パーソナライズされたPush配信ができるからこそ、ユーザーが嫌悪感を抱かず自分ごと化してCVに繋がっているのだろう。

③インフィード広告から流入するニーズの浅いユーザー層に適している

現在のフローは、「LINE広告→LINEチャットボット→WebLP→購入」で、WebLPの前にチャットボットを挟んでいること事が良かった。
WebLPはサービスメリットを伝えているが、ニーズが浅いユーザーに対して“自分ごと化”してもらうことは難しい。
チャットボットを間に挟むことで、ヒアリングができるので、ニーズが浅かったユーザーもバルクオムを“自分ごと化”してくれた。

そこからしっかり興味を持ってもらえるようなコミュニケーションを取ることで、WebLPのCVRを改善することができた。

Cookbiz 掘様

クックビズ株式会社とは

業種:人材
2007年設立。「食に関わるすべての人の成長を実現する。」をミッションに掲げ、飲食・フード業界特化の人材サービス「クックビズ」他、多種多様な人材支援サービスを展開している。

導入前の課題

従来のLPでは、会員登録後の面談設定率が課題だった。
転職を希望するユーザーには、会員登録後に面談を行うようになっていた。
しかし、飲食業界ゆえ、勤務時間の長さ、不規則勤務、休日は調理・接客技術向上に時間を充てるなど非常に多忙な方が多く、なかなか電話でのコミュニケーションが難航し、結果として面談設定率が低下していた。
その解決策としてLINEで「ユーザーがいつでも気軽に」コミュニケーションが出来ないかと思案していた。

導入後の結果

チャットボット広告ジールスの導入により、会員登録のCPAが低く獲得できた上、CVRは8.6倍の改善を達成。
その理由としては下記が挙げられる。

潜在ユーザー獲得数の増加

チャットボットを通じたヒアリングで転職理由をユーザーの中で明確化できたことでニーズが顕在化に繋がった。体力気力ともにハードな飲食業界ではキャリアを深く考える時間も機会がなかった。
そのため、チャットボットを通じてキャリアに関してヒアリングすることで、初めて自身で認識する方も多く、ニーズが顕在化されるようになった

PUSH配信による会員登録の促進

LINEの特性柄、転職への意識がライトなユーザーも、一定数流入している中で、PUSH配信により、転職のタイミングを逃さずに会員登録をしてもらうことが可能に。
具体的には、PUSH配信案をZEALSの運用担当者と練り、魅力的な職場の訴求やコラム・クイズなどのクリエイティブを運用。それ以外にも転職の後押しを様々な切り口で行える。
LINEはブロックされなければ、CV機会を逸することなくサービス訴求が持続可能なため、結果として会員登録のCPAが低く獲得できている。

以上弊社チャットボットサービスジールスの運用実例を見てきましたが、自社の目的と合致していれば実際に非常に大きな効果をもたらしてくれることがおわかりいただけたかと思います。
チャットボットのできることで自社の課題が解決できそうだと感じた方はぜひともチャットボットの導入を検討してみてはいかがでしょうか。